【書評】日露戦争、資金調達の戦い
先週末に横浜みなとみらいの本屋で衝動買いをした一冊。
1700円もする。一瞬、逡巡したが、4000円した「ピューリッツァー賞受賞写真全記録」を購入する決断をしており、気が大きくなっていた。
日露戦争、資金調達の戦い: 高橋是清と欧米バンカーたち (新潮選書)
- 作者: 板谷敏彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2012/02/24
- メディア: 単行本
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まがいなりにも、社会人になって資金調達のお手伝いをして16年。日本が日露戦争でどんな調達をロンドンでやってきたのかを知らないのもどうなんだろう。ということで。
NHKのスペシャルドラマ「坂の上の雲」で西田敏行が演じていた記憶があるが、ジェイコブ・シフなる投資銀行家との出会いはこのドラマや、高橋是清自伝で描かれている、物語的なものとはちょっとニュアンスが違うという話。現実的。
450ページもあるので全部読んでないけど、明治時代の日本という国力と海外列強のそれの比較であったり、JGBのクーポンや価格などがタイムに掲載されていて、Cpn.4%の1904年1月時点の価格は@79.5円。ロシア・スペインと同一Cpn.で発行できているが、ロシアの@98.5円。開戦当初はロシアの信用力が圧倒的に日本を上回っていたことが、100年以上昔の金融市場でも把握できていたことなど、非常に興味深い。
何か伝えたいインプリケーションがいくつかあれば、機会を設けて、会社の若い衆に教えてあげたい。